『あやうく一生懸命生きるところだった』
『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン著、 翻訳:岡崎 暢子
本について、雑な概要
- 会社をやめてのんびり生きる中年男性の、がんばりすぎない方が良いのでは、みたいな話。
- 著者は韓国人の中年男性。元会社員。
- イラストレーターでもある著者のゆるいイラストが挿絵として各項に添えられている。
- カバーもなんか良い感じの紙で、挿絵もあって文章中に手書き風の文字があったりして、めっちゃエッセイ感ある。(私は色とか図でごちゃごちゃした紙面は苦手だけど、全然許せるレベル。縦書きで読みやすいのもあってか。)
読んだきっかけ
- ネットサーフィン中に目に止まって、出版社のサイトから目次を見たら、ちょっと読みたくなった。本屋に行ったらあったので、そのまま買ってしまった\(^o^)/
- なんか話題になってるみたいだし、最近勉強とか行き詰まってきたし、ゆるめの本を読んでみてもいいのかな〜という思い。
- 最近読書もまともにしてなくて、本を読み終えるという達成感を長らく経験していないので、活字に慣れるのにとりあえず一冊買って読んでみよう\(^o^)/という思い。
韓国人が書いた本を読むのは初めて
- 「韓国人の著者」というところにちょっと興味があった。
- 別に何人の書いた本でもいいのだけれど、「韓国人かぁ〜」と思って読み進めると、文章自体に、元々日本語で書かれた文章とは違った、英語の翻訳本のそれとも違う不思議な雰囲気を楽しめた。
- あと「韓国は学歴社会だもんな〜」とか、読んでいる最中に自分の持っていたなけなしの知識が頭の中で存在感を放ってた。w
自分の人生を否定することで立ち止まるのは時間の無駄だという思い
- そう思って手に取ったが、これ系を読むのは久しぶりだった。
- どこかで聞いたようなフレーズ、どこかで聞いたフレーズにちょっと改変を加えたようなフレーズが次々飛び込んでくる。
- 目新しさはない、でも決して退屈でもない、不思議な感覚
- 1回では刺激が足りないので、もう一回読みたいな、と読みながら思った。w
- あと、自分も仕事を辞めて無職で、学生ではないけど2回目の「モラトリアム」の最中、みたいな状況だったから、状況は少し違えど似ている境遇の話に自分を重ねて読んだところがある。
エッセイである
- あまりこういうエッセイは読まないのだが、(前回読んだ記憶があるのは、『読みたいことを、書けばいい。』(田中泰延 著)。ちなみにこの本が、「エッセイ」というものの存在感が増したきっかけになった。)エッセイに特有の、思いをそのまま書いているような感覚が、後半になるにつれて気になってきた。
- 「○○だろうか、しかし××でもあるのではないか、どちらかはわからない」みたいな文章が、後半になるにつれて非常に気になった。多分、自己啓発本とかそういうのを読みすぎて、断定する文章がないと物足りないと感じてしまうのかもしれない。
- 自分が感じた物足りなさも、著者のいう「過程を楽しめていない」ことが原因ではないかと感じた。
過程を楽しもう
- あえてこの本で学んだことを挙げるなら、これが一番デカい。書いた方も、伝えたいことだったから最後の方に持ってきたのでは。
- 今まで自分が何をやってもすぐ飽きていたのは、「すぐに結果、結論を求めて、過程を全然楽しめてない」からだった!という気づきがあった。w
最後に
- 精読ではないにしろパラっとでももう一回読みたい、読んだ方がいいと思ってる。(最後まで読んだ上でまた最初から読んだら、あまり共感できないと感じたところも納得しながら読めるのではないか、と。)
- 今現在、身を粉にして働いている人にも、また我々と同じように「立ち止まってみたけど、先が見えず結局毎日がそんなに楽しくなくて不安」という人にも、読んでみてほしい本だと思った。
- もっかい読みます。